ワールドカップ開催のさなか、大きなニュースが流れました。
あのサッカー界の至宝ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドが電撃移籍を発表したのです!
その行先はなんとユベントス!?
この記事は1996シーズンくらいからセリエBに転落するまでセリエAとユベントスに魅了されていた筆者の感想です。
この移籍、当時のユベントスを知る者からすると相当異質なものに映ります。
もくじ
すっかりイメージが変わったユベントス
古くはデシャンやパウロ・ソウザ、ビエリ、ラバネッリなどがいた時代。
そしてデルピエーロ、ダービッツ、ジダン、インザーギ・・・
ブッフォン、ネドビェド、カンナバーロ、テュラム、ザンブロッタ、カモラネージ、イブラヒモビッチ・・・
懐かしい僕の青春!
因みにユベントスとは、イタリアでは青春という意味合いも持っています。
僕がセリエAに魅了されていた時代も、ユベントスには多くのスター選手が在籍していました。
ユベントスは老貴婦人と称されるイタリア1の名門クラブです。
スクデット(リーグ優勝)の数も最も多く、チャンピオンズリーグも上位常連です。
一見クリスティアーノ・ロナウドが入団してもなんらおかしくないように思われるでしょうが、当時を良く知る僕からするとこの移籍は違和感しかありません。
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有名になる前に獲得Or国内リーグで活躍した選手を中心に引き抜く
僕のよく知るユベントスはというと、実利的で渋くて玄人好みのする選手を集めるクラブでした。
多くの在籍する選手が以下の条件のいずれかを満たす選手ばかりでした。
1.国内リーグで活躍した選手
セリエAが世界最高リーグと言われたころ、下位に位置する他チームにも目覚ましい活躍をみせる選手が大勢いました。
まず、ユベントスが獲得を狙うターゲットとなるのはこういった選手たちでした。
獲得方法も堅実で、実に理にかなったやり方でした。
権利を有する優秀な若手のレンタルを上手く契約に織り込み、現金出費を極力抑える徹底ぶりでした。
貸し出した選手がレンタル先でブレイクすれば、チームに戻すなり、相手先に売却するなりしてチームの利益に繋げていたのです。
こういう具合でしたので、加入する選手は知名度よりも実力を買われた猛者ばかりでした。
ですので、ニワカからすると誰?みたいな選手も加入してきます。
名より実を取る堅実かつ玄人好みな渋い人選が学生時代の僕を強く魅了しました。
2.海外の若手有望株を先行投資で獲得!
選手の目利きが良いのもユベントスの最大の特徴の1つでした。
フランスやオランダなどランクが落ちるリーグから、才能を秘めた選手を引き抜くのが本当に上手かった。
ジダンやイブラヒモビッチ等は、ビッククラブでの実績がほとんどないころに獲得した選手でした。
中にはユベントスでは活躍できなかったものの、その後開花した選手も大勢います。
最も有名なのはフランスのティエリ・アンリでしょうか。
ユベントスでは活躍できずわずかな期間の在籍でしたが、イングランドに渡った後、彼はフランスの大エースに成長しました。
3.イタリア人中心のメンバー編成
海外のスター候補生や、くすぶっている原石を獲得するのが上手かったユベントス。
あまり知られてませんが、あのダービッツもイタリアにやってきた頃はくすぶっていたのです。
そこに目を付けたユベントスは割安で彼を引き取り、世界最高のダイナモへと押し上げました。
ダービッツのような例も幾つかありますが、
チームを構成する上で最も多数派だったのは常に自国イタリア人選手でした。
常にイタリア代表選手がチームの中核をなすメンバー構成は、堅実で手堅いチームに仕上がります。
基本的にどの時代でも、ユベントスのディフェンスは世界最高峰でした。
ベースがイタリア人の堅実なプレーに支えられ、足りないところを他国の選手で補うチームコンセプトも大好きでした。
代表常連ではないものの、ユベントスという組織の中で輝くプレーヤーたちはみなそれぞれ魅力的な個性を持っていました。
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チームの中心だろうが、理にかなえば収支優先で売却!
かつて、あの全盛期のジダンすら売ったのがユベントスです。
このチームは新陳代謝を行うのがとても上手かった!
チャンピオンズリーグ制覇やスクデット連覇を果たしたチームですら平気で解体します。
ただ、解体しても屋台骨を支えるイタリア人選手は健在なので大崩れはしません。
レンタルしていた若手を呼び戻したり、利益優先でチームを再構築するのです。
顔ぶれは変わってもユベントスはユベントスなのです!
ジダンを売ったときも、そのお金で国内最高クラスの好守の要となる、テュラムとネドビェドを買ってきたくらいです。
ジダンは素晴らしいプレーヤーでしたが、彼中心のチームは依存度が高くバランスが悪かったんですね(^^;
そこに舞い込んだレアルマドリーからの高額オファーは渡りに船だったというわけです。
知名度ではジダンが圧倒的ですが、後にバロンドールを獲得するネドビェドとフランス代表の守備の要テュラムを彼1人の売却益で手に入れたと考えるとお得でした。
このように、イタリア1のビッククラブでありながら、地に足ついた経営を行うことが、僕からみたユベントスの最大の魅力だったのです。
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クリスティアーノ・ロナウドがユベントスにやってきた理由
ここまで説明してきたように、僕が知るかつてのユベントスならば、クリスティアーノ・ロナウドの入団はまず無いでしょう。
確かに、レアルからはテべスやイグアインが加入した前例もありパイプもあります。
しかし、彼らはどちらかというと玄人好みするユーベントス的な選手でした。
これまでならロナウドのような選手には、ユベントスが手を出す前にミラノの両クラブが触手を伸ばしていたはずです。
多国籍軍団で、華やかで完成されたスター選手を好むACミランとインテルミラノの方が本来移籍先としてしっくりきます。
では、なぜミランでもインテルでもなくユベントスにロナウドがやってくるのか?
答えは簡単です。
今のイタリアに彼に見合うような力を持ったチームはユベントスだけだったのでしょう。
失礼ながら低迷してしまったミラノの両クラブに最早ロナウドを惹きつける魅力が無かったのだと思います。
C・ ロナウド移籍が意味するセリエAの現在の評価!
プレミアリーグのマンチェスターユナイテッド。
リーガーエスパニョーラのレアルマドリード。
世界を代表するこれらのクラブで、リーグ優勝やチャンピオンズリーグ制覇をはじめ様々なタイトルを手にしてきたロナウド。
そう考えると、次の目標は新たなリーグでも全てを手に入れることでしょう。
そうなると移籍先として該当してくるのが、実はブンデスリーグのバイエルンとセリエAのユベントスくらいしかなかったのです。
それはつまり、欧州トップレベルで戦えるイタリアのチームは最早ユベントスだけというのが現在の評価なのでしょう。
その他のチームでは、レアルやバルサ、マンUやチェルシーなどとは渡り合えない。
ここまで考えてみると、ユベントス移籍はそれほど意外なことでもないのかもしれません。
案外この移籍を主導したのはクリスティアーノ・ロナウド側だったのではないかと思えてきました。
ユベントスならチャンピオンズリーグの制覇も考えられるし、達成できれば3大リーグ全てで勝ったことになります。
ロナウドのモチベーションという意味でも最適な移籍先だったのではないでしょうか?
ブンデスリーグと並んでその他のリーグよりはまだ辛うじて権威を保てているというのがセリエAの現在の評価ではないかと思います。
かつてビック7にワールドクラスがひしめき合い、世界最高リーグとも言われていた事実から考えるとなんとも悲しい現実です。
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クリスティアーノ・ロナウド移籍のユベントスを深堀り!セリエAの評価と現状 おわりに
如何でしたでしょうか?
懐古厨の感想なのでところどころ相違があるかもしれません(>_<)
最近再びサッカーを観始めた感想ですが、昔に比べ全体的にディフェンス面においては退化しているように感じます。
ロナウドとメッシの実力がずば抜けていることは確かなのだろうけど、
これほど天文学的ペースでゴールを量産するのは、ディフェンス陣にワールドクラスがいないことも原因のように思います。
全盛期のカンナバーロやテュラム、ネスタやマルディーニならどう彼らに対応するのか?
気になるところではあります。
間もなく開幕する今シーズン、彼らワールドクラスのディフェンダーの文化が今も残るセリエAにロナウドがやってきます。
セリエAでもロナウドはゴールを量産しつづけるのか?
およそ10年ぶりにセリエAに注目してみようと思います。
セリエAの開幕が楽しみです。
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